不可能を可能に

10年ほど前に、物流倉庫建設用地の購入をお手伝いさせていただいたお客様より、倉庫が手狭になったため、隣接地を購入したいとご相談をいただきました。

購入希望の土地は非常に大きな土地のため、複数の所有者に事情を説明し、了承を得なければなりません。しかしそれと同時にこの物件には大きな課題がありました。それは『農業振興地域』であるという事です。農業振興地域とは、農業を推進すると定められた地域であり、農地以外での利用は厳しく制限され、転用が許可されない地域です。この土地を物流倉庫建設用地として使用するためには、市町村が整備計画を変更し、国の許可を得て農業振興地域から除外する必要があります。実際、数年前にもお客様よりこの土地を駐車場として利用したいとの申し出があり、行政と交渉したものの、許可が下りなかったということもありました。そもそも使用することが「無理」であるスタートでした。

まず、土地の所有者を訪問し、現状を詳しく説明させていただきました。そしてご理解していただいた上で、行政からの許可が得られた際は、売却していただけるかという交渉をしました。それと同時に行政との交渉も進めました。難題ではあったものの、思いがけない幸運に恵まれました。市の整備計画を変更するマスタープランのタイミングとちょうど重なったのです。結果、農業振興地域から除外する計画に、この物件も対象地として検討されることになりました。お客様がこの地域で10年に渡り大きな物流倉庫を稼働しており、地域の雇用や発展に貢献しているという実績があったからこそだと思います。

また、地域の方々にも物流倉庫建設の計画がある旨を説明するため、住民説明会を行う必要もありました。大きな倉庫を建設するわけですから、地域の方のご理解を得ることは必要不可欠です。ご納得いただくために何度も開催しました。

そして2年の時間を要し、ついに農業振興地域除外の許可がおりました。途中、農政局の都合から許可通達が3度も延期になるという事態もありましたが、ようやくお客様に良い報告が出来ました。時間こそかかったものの、今回もこうして当社に依頼をいただき、最良の結果に結びつけられたこと、またお客様に喜んでいただいたことを大変嬉しく思います。

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